TOP » 葉酸

葉酸 foli acid

葉酸とは水溶性のビタミンB群のひとつで、約20種類の酵素と協力してDNAの合成や細胞分化に関わっている栄養素です。

細胞分化の盛んな胎児や乳幼児の発育に重要な働きをする為、特に妊娠初期の女性に必要だとされています。

葉酸は、1941年にホウレンソウの葉から発見されました。そのため、ラテン語で「葉」を意味する
「folium(フォリウム)」から「folic acid=葉酸」と名付けられています。

最近の研究では、細胞の中で動脈硬化の危険因子であるアミノ酸「ホモシステイン」を、
血液中のコレステロール値を下げることで知られるアミノ酸「メチオニン」へ変換を助ける働きもあることが明らかになりなりました。

摂取することによって、動脈硬化が原因で起こる様々な病気の予防につながると考えられ、注目されている栄養素のひとつです。

葉酸の効果・効能

葉酸は肺ガンや直腸ガン、子宮頸ガンの予防に役立つとされています。
避妊薬の使用、出産など子宮頸ガンのリスクをもつ女性のガン発生率を14年にわたって調べたところ、葉酸の投与することで発生率が2分の1から5分の1に低下したというデータもあります。

また、葉酸の効果が期待できるのは女性にとってだけではないことが、近年の研究から明らかになっています。

葉酸に期待できる効果は次の4つです。

成長促進


葉酸の摂取により、DNAの合成が正常に行われることで、細胞はその情報をコピーしながら分裂して増え、新陳代謝や成長を促すことができると考えられています。
特に細胞増殖が最も盛んに行われる胎児期や幼児期には必要とされますが、成人にとってもたんぱく質の合成に欠かせない成分であり、
摂取することによって、皮膚や粘膜を強く健康に保つことに役立ちます。

特に腸管や口腔内、舌などの粘膜は細胞の生まれ変わりが早く、葉酸が不足すると炎症が起きるなどの悪影響が出ることもあるので、日頃から不足しないよう摂取を心掛けましょう。

貧血予防


葉酸は、新しい赤血球をつくり出すために必要不可欠なビタミンだと考えられています。

赤血球の寿命は約120日で、体内では新しい赤血球がつねにつくられています。
葉酸は、ビタミンB12とともに補酵素として働き、赤血球のもととなる赤芽球(せきがきゅう)の合成に関わっています。
赤血球は血液細胞の1種であり、酸素を運ぶ役割を持ちます。
赤芽球が正常につくられないと、赤血球も正常につくられないため、葉酸は貧血予防を助ける成分として考えられているのです。

動脈硬化予防

葉酸は、血中の「ホモシステイン濃度」を低下させることから、動脈硬化の予防にも効果的だと考えられています。

葉酸は、体内でビタミンB6やビタミンB12とともに、「ホモシステイン」というアミノ酸を「メチオニン」「システイン」に変換します。
葉酸が不足してこの働きが正常に行われなくなると、血液中のホモシステインの量が増え、血液凝固や血管内皮細胞の機能に影響し、血栓(血液のかたまり)を形成してしまい、動脈硬化の原因となります。

また、ホモシステインは、加齢に伴って血液中の濃度が上昇するともいわれています。
脂質の摂りすぎなど、動脈硬化の他の要因と葉酸の不足が重なると、
糖尿病や高血圧の原因になるほか、脳卒中や心筋梗塞などの病気を引き起こすことがあるため、これらの予防のためにも葉酸を摂取することが大切です。

認知症予防

血液は体中の細胞に酸素と栄養を届けており、血流が停滞すると、認知症や聴力障害を引き起こすといわれています。
葉酸はホモシステイン血症を予防し血流を維持することにより、認知症や聴力障害を予防する働きも報告されており、その効果が期待されています。

海外で動脈硬化症の高齢患者818名を対象に、葉酸を1日あたり800mg 、3年間摂取させたという研究があります。
その結果、血清中の葉酸濃度が上昇し、血漿中ホモシステイン濃度の低下とともに加齢による認知機能の低下が抑制されたことが明らかになっています。※1

葉酸の副作用


現在までのところ、葉酸のとりすぎによる副作用などの報告はみられていません。

しかし、薬などによって意図的に葉酸を過剰摂取した場合には、神経障害や発熱、じんましん、皮膚炎などが起こる可能性があるようです。
また、過剰摂取が続くと亜鉛の吸収を阻害することもあるため、サプリメントなどで摂取する場合は、各メーカーに書かれてある摂取量を守る必要があります。

1日の推奨摂取量とは?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)※2」では、妊婦をのぞく18歳以上の男女の葉酸の推奨量は「1日240µg」とされています。この量は一例をあげると、生のブロッコリー2分の1個、生のほうれん草であればおよそ2分の1束にあたります。

また、妊娠中の女性は、「神経管閉鎖障害」のリスクの低減のために、「1日400µg」の葉酸の摂取が望ましいとされています。

神経管閉鎖障害とは、二分脊椎と無脳症と呼ばれる障害のことで、いずれも胎児の生死に関わったり、生涯に渡る治療とケアが必要になる深刻な病気です。すべての神経管閉鎖障害が、葉酸の摂取不足だけでおこるわけではありませんが、葉酸を意識して摂取することは、神経管閉鎖障害が起きるリスクを低下できると考えられています。

参考文献

  • ※1FACIT試験における高齢者の認知機能に対する3年間の葉酸補給の効果:無作為化二重盲検対照試験。
  • ※2厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

最近更新された成分の記事