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GABA gamma-aminobutyric acid

GABA(ギャバ)とは、γ-アミノ酪酸(ガンマ-アミノらくさん)と呼ばれるアミノ酸の一種です。英語名がGamma-AminoButyric Acidであることから、その頭文字をとってGABAと呼ばれています。

1950年に哺乳類の脳抽出液中から発見され、血圧上昇の抑制やストレスを緩和させる神経伝達物質として機能していることが明らかになりました。

食品の中では、発芽玄米に多く含まれているほか、トマトやナスなどの野菜類、漬物などの発酵食品にも含まれていますが、神経伝達物質であるGABAは血液脳関門(脳内に不要な成分が入り込まないようにする関所のようなもの)を通過できず、経口摂取では何の効果もないと考えられてきました。

しかし、1984年頃に行われたGABAを富化させたお茶の開発で、グルタミン酸のほぼ全てをGABAに変えることに成功。このお茶に血圧降下作用があると報告されたことで、様々な研究が進められるようになりました。

GABAの効果・効能

経口摂取によって体内に入ったGABAは、腸内を通じて様々な効果を発揮するといわれています。その考え方を脳腸相関と言います。脳腸相関とは、独自の神経ネットワークを持つ腸を「第二の脳」と呼び、腸内常在菌と中枢神経は深く関係しているという考え方です。実際に腸内では、GABAを産生する菌の存在が確認されていることから、GABAと腸内環境との関係性が近年の研究により明らかになってきています。

GABAに期待できる効果は次の3つです。

リラクゼーション効果


GABAには、副交感神経を活性化させてストレスを緩和するリラクゼーション効果があります。

副交感神経とは、呼吸や消化吸収など我々が無意識に行う活動を司る自律神経の1つで、心身をリラックスさせ鎮静状態に導く神経です。自律神経には、副交感神経の他に「交感神経」というものがあり、こちらは心身を緊張させて興奮状態に導く神経で、その働きから「闘争と逃走の神経」とも呼ばれています。この交感神経と副交感神経には、一方が優位になっているときには、もう一方の働きが抑えられるという特徴を持っています。

つまり、気分をリラックスさる副交感神経の活動が優位になれば、気分を高ぶらせる交感神経の活動が抑えられるので、副交感神経を活性化させるGABAにはリラクゼーション効果があると考えられているのです。

GABAのリラクゼーション効果を検証する実験は既に行われていて、12名の健康な若年男性にGABA含有カプセルとをプラセボカプセルをそれぞれ別の日に経口摂取させたところ、プラセボ摂取30分後よりもGABA摂取30分後の方が副交感神経活動が活性化したということが分かっています。※1

また、心理的ストレスを図ることができる指標にクロモグラニンA(CgA)というものがありますが、この指標によってもGABAのリラクゼーション効果が立証されています。

実際に行われた実験では、GABAを28㎎含むチョコレートを摂取した被験者に対し、15分間の算術課題を割り当てたすると、摂取前に比べて大きく上昇することがなかったということが報告されています。※2

安眠効果


GABAの安眠効果について触れる前に、まずは睡眠のメカニズムについてご説明いたします。

睡眠には、脳を休めるノンレム睡眠と、筋肉を休めるレム睡眠の2種類があります。人が眠りにつくと、最初にノンレム睡眠が始まり、次にレム睡眠、またその次にノンレム睡眠と交互に繰り返していきます。レム睡眠は常に一定の質で繰り返されますが、ノンレム睡眠は繰り返される度にその質が低下していくので、最初のノンレム睡眠の質が低いと、その睡眠で得られるノンレム睡眠の質は総合的に低くなってしまいます。

十分に眠ったはずなのに眠り足りなく感じたり、1日中なんだかボーっとしてしまうのは、ノンレム睡眠の質が低いケースが多いと言われています。

GABAによって得られる安眠は、このノンレム睡眠の質を向上させる効果にあるといわれていて、ある研究では、GABAを100mg摂取した後の睡眠は、通常時と比べてノンレム睡眠の時間が5.1%増加し、睡眠潜時(睡眠開始までの時刻)が5.3分短縮されたことが確認されています。※3 睡眠潜時の短縮に関しては、副交感神経の活性化が影響していると考えられており、リラクゼーション効果との相乗効果が期待されています。

血圧を下げる効果

GABAと同じ神経伝達物質の中には、興奮性のノルアドレナリンというものがあります。

このノルアドレナリンは交感神経が優位のときに血液中に多く分泌され、血管を収縮させる作用によって血圧を上昇させるといわれていますが、GABAを摂取することで副交感神経が優位になれば、交感神経の働きが抑えられてノルアドレナリンの分泌量を減らすことができるので、結果的に血圧を下げることに繋がっていると考えられています。

GABAに血圧を下げる効果があることは海外でも研究されており、39名の軽度高血圧の患者にGABAを含む乳製品を12週間摂取させ続けた結果、平均で上の血圧(収縮期血圧)が17.4±4.3mmHg、下の血圧(拡張期血圧)が7.2±5.7mmHgも下がったという報告があります。※4

参考文献

  • ※1藤林 真美,神谷 智康,高垣 欣也, 森谷 敏夫. GABA経口摂取による自律神経活動の活性化. 2008, 129-133
  • ※2H Nakamura,T Takishima,T Kometani, H Yokogoshi. Psychological stress-reducing effect of chocolate enriched with γ-aminobutyric acid (GABA) in humans: assessment of stress using heart rate variability and salivary chromogranin A. 2009, 106-113
  • ※3Atsusho YAMATSU, Yusuke YAMASHITA, Isafumi MARU, Jinwei YANG, Jin TATSUZAKI, Mujo KIM. The Improvement of Sleep by Oral Intake of GABA and Apocynum venetum Leaf Extract. 2015
  • ※4K Inoue, T Shirai, H Ochiai, M Kasao, K Hayakawa, M Kimura & H Sansawa. Blood-pressure-lowering effect of a novel fermented milk containing γ-aminobutyric acid (GABA) in mild hypertensives. 2003

GABAの副作用

通常の食事によるGABAの摂取では、重篤な副作用の報告はされていませんが、非常に稀なケースでとして、悪心・食欲不振・下痢・便秘がみられる場合もあるようです。

また、サプリメントなど濃縮されたGABAの経口摂取に関しては、安全性を保証する報告がない状態ですので、用法・容量を超える摂取は控えてください。

降圧作用のある薬品との併用にご注意

降圧薬や降圧作用のあるハーブ等と併用することで、低血圧を引き起こす可能性があります。

また、高血圧症の治療のために活性型ビタミンD3製剤、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬を服用していた男性が、GABA含有乳酸菌飲料を1日1本、約1ヵ月摂取したところ、薬物性肝障害と診断された事例がありますので、服薬中の方は医師と相談することをおすすめします。

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