生姜とは、ショウガ科の多年草であり、血行を促進して体温を上昇させる働きをすることから、冷え性や肩こりの改善などに効果があるとされている成分です。
原産地のインドでは、紀元前300~500年前から保存食や医薬品として使われていました。インドの古い医学書の中には、その薬効により「生姜は神からの治療の贈り物である」と記されており、はるか昔から薬効のある成分として知られています。
生姜に含まれる主な有効成分には「ジンゲロール」と「ショウガオール」などがあります。これらの成分には、胃酸の分泌を促進して食欲を増進させる働きがあります。生の生姜には、ジンゲロールが最も豊富に含まれていますが、加熱や乾燥によってジンゲロールはショウガオールに変化します。
冷えの改善には、ジンゲロールよりもショウガオールの方が効果的だといわれています。
また、日本で栽培されている生姜は3種類あり「大生姜、中生姜、小生姜」に分けられます。その他にも、生姜には様々な種類がありますが、効果や効能には大きな違いはありません。
現代の日本においては、医療用の漢方薬の約7割に生姜が使われています。
また、近年では、健康志向の高まりとともに生姜の効果が注目されており、食用、香料、飲料などの原料としても使用されています。
生姜の効果・効能
生姜に含まれるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンには体を内側から温め、血流を改善する効果があります。血流を改善する働きによって、疲労回復や消化促進、便秘の解消など、様々な健康効果が期待できます。
生姜の持つ効果効能には、以下のようなものがあげられます。
- 冷え性の改善
- 免疫力向上
- 胃腸を整える
- アンチエイジング
冷え性の改善
生姜に含まれる「ガラノラクトン」と、「ジンゲロール」は血管に届き、冷えなどで細くなった血管を拡張させる働きがあります。その結果、血液の流れが良くなり、血行不良などによる冷え性の改善が期待できます。
実際に行われた実験では、生姜の摂取によってエネルギー消費量が有意に高まり、3時間の保温効果が継続するといわれています。※1
また、血流が良くなると血液がきれいになり、発汗や排尿、排便が促され余分なものが排出されやすくなる効果もあります。
そのほかにも、体を温めることで関節の痛みを和らげることができます。膝や腰などの関節の痛みは、体の冷えが原因で起こる場合が多いため、生姜の体を温める働きが、つらい関節痛を緩和させます。
免疫力向上
生姜には免疫力を向上させる効果もあります。
生姜に含まれるジンゲロールには、「殺菌作用、免疫細胞を活性化、胆汁の分泌を促進、抗炎症作用、吐き気や頭痛を抑える作用」などを持っています。
また、ジンゲロールは酸化しやすく、空気に触れて約3分後には減少すると言われています。
よって、生姜に熱を加えず、食べる直前にすり下ろすことで、より効果的にジンゲロールを摂取することができます。また、ショウガオールに比べ、ジンゲロールは免疫力の向上効果が高いので、病気の予防をしたい方は、生で摂取するほうがいいでしょう。
胃腸を整える
生姜は胃腸の内壁の血行を良くし、胃腸の働きを活発にして食べ物の消化吸収を高めます。
また、生姜には「ジンジベイン」というたんぱく質分解酵素も含まれており、胃腸の負担を軽減してくれる働きもあります。さらに、生姜には胃の潰瘍を抑え、ピロリ菌を殺菌する効果があります。
胃の弱い方は、生姜のような刺激のある食物を避ける傾向がありますが、実は胃の弱い方ほど、生姜を摂取したほうがいいとされています。
アンチエイジング効果
ショウガオールやジンゲロールには抗酸化作用があり、しわやたるみ、シミなどの原因である「活性酸素」を除去する効果があるといわれています。体内で必要以上に活性酸素がつくられると、細胞が正常に再生できなくなり、老化の原因になってしまうのです。
呼吸をした際、ストレス、喫煙、睡眠不足など日常生活の中でも活性酸素は発生しています。
活性酸素の発生を防ぐことはできないので、活性酸素に対抗する抗酸化成分を摂取することが老化予防には大切になってきます。
その為、生姜を日常的に摂取することは、その抗酸化作用によって老化を防止すると考えられています。
参考文献
※1 生姜抽出物の経口摂取が冷え性の人のエネルギー消費等に及ぼす効果(PDF)
生姜の副作用
生姜は食品ですので、普通に食べる分には、特に副作用の心配はありません。
ただし、個人の体質や、サプリメントなどから大量に摂取した場合には副作用が出る方がいます。
特に以下のような方は、摂取する際には注意が必要です。
胃腸が弱い人
生姜には胃腸の働きを活発にすることで、消化促進や食欲の増進といった作用があります。
しかし、胃腸の弱い方が適量を摂取するのは問題ないものの、過剰に摂取すてしまうと薬効が刺激となり、腹痛や下痢、胸焼け、嘔吐の原因となることがあります。また、サプリメントに含まれている乾燥生姜はエキスが濃縮されていますので、少量でも気をつけて摂取しましょう。
ストレスが溜まっている方
生姜は脳を刺激して活動を活性化しますので、睡眠をとる前や、イライラしている時には摂取を避けるようにしましょう。また、過剰なストレスにより、腹痛や食欲減退など、なんらかの症状がでている時は、その症状が悪化してしまう可能性があるので注意が必要です。
妊娠中の方
生姜は、妊娠中のつわりにも良いとされていますが、過剰摂取した場合は、お腹の中の赤ちゃんに悪影響を与え、流産する恐れもあるとされていますので注意が必要です。通常の食品で適量を摂取している分には問題ありませんが、サプリメントで摂取する場合は、病院で相談してみたほうがいいでしょう。
健康維持の為に摂取したい量とは
生姜は、1日の必要摂取量などは特に定められていません。
ですが、一般的には健康を維持する為の適量は「10g(日)」程度だと言われています。
一例をあげると、生姜スライス6枚分が約10gの重さです。
食品として摂取する時は、調理方法にもよりますが、スライス6枚分が含まれていれば、ある程度生姜の味を味わえると思います。
10g前後の量を目安に、自分が生姜をどれぐらい食べても大丈夫なのか、料理やサプリメントで試してみることをおすすめします。