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L-カルニチン l-carnitine

L-カルニチンとは、体内で合成されるアミノ酸の一種です。主に羊肉や牛肉などの肉類に豊富に含まれており、脂肪の燃焼に不可欠な成分として知られています。
1905年に、ロシアの科学者によって肉抽出エキスから発見された際、ラテン語で「肉」を意味する「カルニ(carni)」を由来として「カルニチン」と名付けられました。

もともと心臓病の治療薬として使用されていた成分ですが、日本では2003年から健康食品としての販売が許可されました。肥満防止や、エネルギー代謝を助けることから、ダイエット中の方や、アスリートの方にサプリメントを使用する方が増えています。
また、現在でも医療分野では、エイズ、男性不妊、糖尿病などの予防や改善の為に使用されることがあります。

通常、成人であれば体内の肝臓で、1日に約10mg程度のL-カルニチンが合成されます。
しかし、体内のL-カルニチンは、20代をピークに減少していくことがわかっており、不足すると疲労を感じやすくなったり、高血圧や動脈硬化など、様々な病気のリスクを高めることがわかっています。
また、近年では無理なダイエットや偏食などにより、若い方でも不足しがちだと言われ、年齢に問わず積極的な摂取が必要だと考えられています。

L-カルニチンの効果・効能

L-カルニチンは、日本では50年ほど前から心臓病の治療薬として使用されてきました。
近年では脂肪酸燃焼によるダイエット効果のある成分として注目され、健康食品として愛用する方が増えています。
ダイエットを目的にサプリメントを愛用する方であればよく目にする成分だと思いますが、それ以外にはどんな働きをしているのかご存知でしょうか。

これまでに明らかになっている効果・効能には以下のようなものがあげられます。

  • 脂肪燃焼
  • 男性不妊の治療
  • 心臓病の予防
  • 老化の防止

脂肪燃焼

L-カルニチンは、脂肪を燃焼する器官「ミトコンドリア」へと脂肪を運ぶ役割を果たしています。
これにより、脂肪をエネルギーとして利用することで、脂肪燃焼効果を高めることができます。

補給することにより、体に溜まっている脂肪をエネルギーとして効率良く燃焼することができると、脂肪が付きにくく、太りにくい身体をつくることができます。
逆に、L-カルニチンが不足してしまうと、燃焼されずに残った脂肪が蓄積され、肥満につながる可能性があるので、不足させないことが重要になってきます。

実際に、肥満者12名を対象にL-カルニチン3000mg(日)を10日間摂取させたところ、呼気中(息を吐く時)の食事由来二酸化炭素量が6時間後では1.6倍、12時間後では1.3倍に増加したことから、L-カルニチンに脂肪燃焼効果が確認されました。※1

L-カルニチンの量は、20代をピークに減少していき、合成力も加齢と共に弱まることがわかっています。中年太りの人や、最近痩せにくくなったと感じる人は、Ⅼ-カルニチンが不足していることも考えられます。

男性不妊の治療

精液に含まれるL-カルニチンの量は、精子数や精子の運動率に関係するとして、男性の不妊治療を行う際に重要な成分であると言われています。

前述した通り、L-カルニチンが体内に豊富にあることで、脂肪が多く燃焼されます。
その際、ミトコンドリアの働きが活発になると、細胞分裂が促されることで生殖機能も活性化する為、精子の運動率も向上すると考えられているのです。

実際にある試験では、男性不妊症患者100人を対象にカルニチン2000mg(日)を2カ月間摂取したところ、精子の濃度と精子の総運動率、前進運動率が増加したことが報告されています。

また、この報告の利点は、ミトコンドリアの脂肪酸酸化の増加と、睾丸中の細胞死の減少が不妊改善に関係があるかもしれないとしています。※2※3

心臓病予防

L-カルニチンは、心臓に対する働きが明らかになったことをきっかけに、日本ではもともと心臓病の治療薬として使用されていました。

心臓を動かすエネルギーの70%は、脂肪燃焼から得ています。脂肪燃焼効果のあるL-カルニチンが不足していると、コレステロールや中性脂肪が増加する原因となり、心臓病につながるとも考えられます。

また、L-カルニチンには中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増加させる働きがあることから、心臓の心拍を整えることができます。それにより、動悸や息切れなどの心臓病の症状を緩和することができると言われています。

老化の防止

加齢と共に組織内のL-カルニチンが減少すると、ミトコンドリア膜の状態が悪化することから、L-カルニチンは老化防止に関係する成分であると考えられています。

ミトコンドリア機能の低下は、老化の原因になります。
特に、脳や筋肉の代謝に重要な「糖質」をエネルギーに変える働きをすることから、加齢と共に糖代謝が悪くなると、老化の原因につながるのです。

高齢のラットを対象とした研究では、高用量のアセチル-L-カルニチン(L-カルチニンが体内で変化する物質)およびα-リポ酸を補給すると、ミトコンドリアの崩壊を減少させることが明らかになりました。さらにその後、ラットは活発的に動き回るようになり、記憶力も向上しています。※4

しかし、この効果は現在まで人において試験されていません。そのため、老化による代謝機能の低下や、アルツハイマー病の予防に効果が期待され、現在も研究が続けられています。

参考文献

※1 The effect of l-carnitine on fat oxidation, protein turnover, and body composition in slightly overweight subjects.
※2 Use of carnitine therapy in selected cases of male factor infertility: a double-blind crossover trial.
※3 The role of carnitine in the male reproductive system.
※4 Feeding acetyl-L-carnitine and lipoic acid to old rats significantly improves metabolic function while decreasing oxidative stress.

L-カルニチンの副作用

L-カルニチンは安全性が高く、適量の摂取であれば、副作用の問題ないとされています。

しかし、過剰に摂取すると「吐き気、腹部痙攣、下痢、体臭(生臭い)」などの副作用が起きる可能性があります。稀にではありますが、心血管系患者(心臓や血管に生じる病気の方)の筋力低下、発作性疾患の方には発作が見られることもあるようです。

また、いくつかの研究では、腸内細菌がカルニチンを代謝する際に、心血管系疾患のリスクを高める物質「トリメチルアミン-N-オキシド」を生成してしまうという報告もあります。なお、この現象はベジタリアンの方よりも、肉食の方に見られるようですが、その原因については解明されていません。

上記のような副作用を起こさない為にも、サプリメントなどを使用する際には、記載されてある量を守る必要があります。

なお、食べ物から摂取する際には、赤身肉などに豊富に含まれていますが、摂り過ぎると肥満の原因にもなりますので摂取量には気を付けましょう。
一例をあげると、1000mgのL-カルニチンを牛肉から摂取する場合には、約2kgの量が必要になります。効率的に摂取する為には、サプリメントの利用も選択肢のひとつでしょう。

1日の摂取上限量

L-カルニチンの摂取上限量は「1000mg/日」が目安だとされています。また、1日に「3000mg」といった過剰摂取を続けると、副作用が起きる可能性があると言われています。

L-カルニチンは、体内で合成できるアミノ酸の一種であることから、日本では1日の必要摂取量などは定められていません。上限量のみ定められており、この範囲内であれば、安全に摂取することができると言われています。これはアメリカや、スイスで定められている上限量を目安に決められたようです。※1

参考文献

  • ※1「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質
    (原材料)」の取扱いの改正について/厚生労働省行政情報

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