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テアニン

別名 L-グルタミン酸

テアニンとは、お茶の葉に含まれる旨味成分です。興奮を鎮めて緊張を和らげる働きや、心身をリラックスさせる効果を持っています。また、脳内に入ることで、神経伝達物質の「ドーパミン」や「セロトニン」の濃度を変化することがわかっています。それにより、記憶力や集中力を高める効果があります。

お茶の学名が「Thea sinensis」であることから、「テアニン(Theanine)」と命名されたといわれています。テアニンは、1950年に玉露(緑茶の一種)から分離精製され、化学構造が明らかになりました。
通常では、乾燥茶葉中に約1~2%含まれています。特に高級なお茶には多く含まれており、抹茶には番茶の12倍のテアニンが含まれています。したがって、お茶の種類や採取時期によって含有量に差が出てきます。また、アミノ酸の1種であることから、味だけでなく、香りにも大きく貢献しています。

テアニンは緑茶やウーロン茶、紅茶などのすべてのお茶に含まれていますが、日光を浴びることによって、カテキン(お茶の渋み成分)へと変化することがわかっています。日光の働きによって「カテキン」に変化してしまった茶葉では、旨味よりも渋みを強く感じるでしょう。
カテキンはポリフェノールの一種として抗酸化作用が確認されており、テアニンやカテキンが複合的に作用することによって、体の様々な不調を改善することができると考えられています。

テアニンの効果・効能

テアニンの持つ大きな効能として、リラックス効果と快適な睡眠を促す作用があげられます。
近年では、不眠症に悩んでいる方を中心に、睡眠の質を高める成分としてサプリメントなどが注目されています。

テアニンの効果・効能には、以下のようなものがあります。

睡眠障害の改善

テアニンは、脳の興奮を抑えて神経を沈静化する働きをする為、快適な睡眠が得られるという効果があります。

実際に行われた研究では、健常な男性にテアニンを200 mg含む錠剤を6日間、就寝1時間前に服用させたところ、プラセボ(偽物の薬)を服用させた場合と比較して、睡眠途中で起きてしまう時間が短くなり、起床時のリフレッシュ感が高いことが確認されました。
また、寝つきに関する効果率も、10人中7人が、プラセボと比較して摂取した場合の方が高くなりました。※1

よって、就寝前に摂取することで、寝つきを良くして中途覚醒(寝つきが悪く、睡眠途中に目覚めてしまうこと)を減少させ、睡眠から覚醒への移行をスムーズに進行させると考えられます。

リラックス効果

双葉
テアニンには、お茶に含まれるカフェインの興奮作用を抑制する効果があることが明らかになっています。※2※3

お茶やコーヒーに含まれているカフェインには、興奮作用や覚醒作用があります。
お茶においては、テアニンがカフェインの興奮作用を緩和していると考えられてきましたが、カフェインを飲用した際に出現するβ波(興奮した状態の時に発生する脳波)が、テアニンにより抑制されることが確認されています。

実際に、人がテアニンを摂取した際の脳波の変化について検証したところ、200 mg摂取すると30分以降に「α波」の出現が活発化することが認められました。

「α波」は、リラックス時に出現する脳波として知られており、これによって、テアニンのリラックス効果が確認されました。また、不安傾向が低い人の場合では、約50 mgのテアニンの摂取でもα波が出現することがあるようです。

テアニンの濃度が高いほどα波が強く現れることから、リラックス効果はテアニンの含有量に比例すると考えられています。

集中力を高める効果

ラットを使用した研究では、テアニンを投与すると、記憶力や学習能力が高まることが示されています。
これは、投与されたテアニンが血液脳関門を通過し脳内に入り、神経伝達物質である「ドーパミン」や「セロトニン」の濃度を変化させるためだと考えられています。

また、認知および気分に対して100 mgのテアニンと、50 mgのカフェインの摂取がどのように作用するかについて調べた研究では、テアニンとカフェインの組合せが、日常生活での様々なパフォーマンスを改善するのに有益であることが明らかになりました。

ただ、前述したようにカフェインには興奮作用などがありますので、摂りすぎには注意が必要でしょう。

PMS(月経前症候群)、更年期障害の改善

自然の中で瞑想する女性
テアニンは、女性特有の悩みであるPMS(月経前症候群)や更年期障害の症状を和らげるという報告もあります。
月経前にあらわれるイライラ、憂鬱、集中力の低下、疲労感といった症状を改善します。同様に、更年期障害によるほてり、動悸、イライラ、不安感といった症状も軽減します。

PMSの自覚症状のある20~40歳代の女性を対象とした試験では、1日200 mgのテアニンを、排卵日から月経開始日までの約2週間摂取させたところ、PMSの症状が改善されたという結果が出ています。

参考文献

※1 L-theanine and caffeine improve task switching but not intersensory attention or subjective alertness.
※2 Lu K, et al. The acute effects of L‐theanine in comparison with alprazolam on anticipatory anxiety in humans. Human Psychopharmacology: Clinical and Experimental. 2004, 19, 7, p. 457-465.
※3 Kimura K, et al. L-Theanine reduces psychological and physiological stress responses. Biological psychology. 2007, 74, 1, p. 39-45.

テアニンの副作用

一般的には安全性の高い成分だと考えられているテアニンですが、過剰摂取や体質によっては以下のような症状が出る可能性があります。

  • 舌先、指先の痺れ
  • 下痢
  • めまい
  • 頭痛

サプリメントとの関係性については、明らかになっていませんが、これらの症状が現れた方は服用を中止した方が良いでしょう。

妊娠中・授乳中の場合サプリは控えた方が良い

妊娠中や授乳中の女性に対しての研究結果はないことから、サプリメントでの摂取は控えた方が良いでしょう。ただし、テアニンはお茶の中にも含まれており、妊娠中にお茶を飲んではいけないということはありません。適量であれば緑茶などの経口摂取は安全性が示唆されているので、妊娠中や授乳中であっても、特に問題はないとされています。

降圧薬を服用中の方でも特に問題はない

テアニンには血圧を下げる作用があるため、降圧薬を服用している方が摂取することで低血圧になってしまうことも心配もされています。 しかし、テアニンを含む食品の研究に参加した降圧薬を服用中の被験者は、3ヶ月間テアニンを摂取しましたが、血圧低下などの症状は見られなかったことが報告されています。

よって、降圧薬を飲んでいる方でも過剰摂取しないかぎり問題はないと思われます。
しかし、不安な方は念のため医師に相談してから服用するのがいいでしょう。

テアニンの一日の摂取目安量とは

ほうじ茶
テアニンは、厚生労働省による1日の摂取量などは特に定められていません。

一般的に、テアニンのサプリメントや機能性表示食品に表示されている1日の摂取目安量は、「200 mg(日)」であることが多くみられるようです。

200 mgという量は、煎茶20杯分になります。テアニンのリラックス効果は、テアニンの含有量に比例すると考えられていますが、お茶で多く摂取しようとすると利尿作用やカフェインなどの悪影響が懸念されます。したがって、テアニンだけを効率よく摂りたい方はサプリメントがおすすめです。

健康食品やサプリメントから摂取する場合は、商品のパッケージや説明書に記載されている情報に目を通し、これらに従うことが大切でしょう。

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